お泊りの話
本編に入れようとしたけど入りきらなかった話。
多分1.5話ぐらい
後半は場地くん視点。
男子が女子に混ざってお泊り会は不純だ、なんて数少ない友人が心配してくれながら言っていたが、
私は二人を信頼しているので問題はない、問題はないのだが、
…しまった、上の着替え忘れた……いや、でもキャミソールは下着じゃなくて服ということにすればいける、問題はないはずだ。
「お風呂ありがとうね」
そういって風呂場から出たら場地くんは眉間にしわを寄せ松野くんは顔を真っ赤にしていた、....ああ、これはミスったんだな私
「不快な思いをさせて本当にごめん...」
「ちげーよ!」
私がショックを受けてたら松野くんが大声を上げた
「はあ...お前ちょっと無防備すぎなんだよ!なんつーかその……女として意識しろって言っても難しいかもしれねぇけどさぁ」
場地くんが頭を抱えてそんなことを言ってきた、
「ちゃんと女の子らしくしてるよ!髪の毛も手入れしてるし!」
「そういうことじゃなくってだなぁ……」
「はい、ちゃんこれ」
渡されたのは松野くんのジャージの上着だった
「松野くん、本当ありがとう...」
受け取った上着を着る。場地くんはなぜか苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。そんなに嫌だったのか、本当に申し訳ない。
その後ドライヤーまで貸してくれた、私の後に場地くんは自分の髪を乾かし始めてしまった。...場地くんの髪を乾かしたい、そんな欲望が湧き出す。
「場地くん、私が乾かしてあげる!」
「...いや別にいらねえって」
断られた、でもここで引き下がる私ではない。
「私の乾かし方でやるとつやつやになるからまかせて!」
というわけで半ば無理やり場地くんの髪を乾かし始めた、最初は嫌そうな顔をしていたが次第にうとうとしながらおとなしくなってくれた。
これはなかなか楽しいぞ。ドライヤーを終えて場地くんの髪を見るととてもつややかになっていた。
「はい完成!ばっちりだよ」
「おぉ、ありがとな」
結構満足されたみたいでよかった、松野くんもすごい喜んでくれたし、
これで女としての矜持は保たれただろう。
その後三人でゲームをして遊んでいたのだが、突然部屋の電気が消えた、
停電だろうか?
「場地さん!ブレーカー見てきます!!!」
と言って松野くんは部屋を出て行った。ここ場地くんの家なんだけどなあ…
しばらくすると玄関の方から物音がしたのでおそらく外に出たのだろう。
「場地くん?あれ?どこ?」
暗くてあまり目が見えない、手をゆっくり伸ばしながら探す、指先に何か触れたのでそれをつかまえようとするとぎゅっと握りしめられた
「ぉわっびっくりしたー」
「大丈夫か?」
場地くんの声だ、
「うん、ありがとう、見えないと不安になっちゃって」
表情は見えないけど手のぬくもりを感じると安心する
場地くんは私の手を握ったまま何も言わない、
「……はさいつも人の表情とかで何考えてんのか見抜くだろ?」
「うん、まぁ」
「それって結構疲れるんじゃねーか?」
確かに人の顔色ばかり伺っているせいか最近はちょっと疲れてきたかもしれない
「……よくわかるね」
未来視が出来ると分かってからより一層人の表情を読んで悪い未来から回避させようと色々やってみたりと、そのおかげで人付き合いも今までうまくいったんだけど……
「俺は頭わりーし難しいこと考えるの苦手だし、正直お前が何考えてるかなんて全然わかんねぇ」
「うん、そうだよね」
当然だ、こんながんじがらめになった人間のことなんて理解されなくて当然だ、
なのに場地くんに言われると少し寂しく感じてしまった、自分でもわからない感情に戸惑ってしまう。
「でもよ、お前がいつも何か頑張ってるってことぐらいは分かるぜ」
「え……」
握られた手に力が入るのを感じた、なんか顔が熱い、場地くんの顔を見ようと思ったけどやっぱり暗闇の中では分からない、
「お前の顔よく見えるわ」
「え、見えてないじゃん……」
「俺は暗いところでも割と見えんだよ」
……なんかずるい、いつもは私の方が場地くんのこと見てるのに、私は今どんな表情に見えてるんだろうか
「俺はわかんねー事だらけだけど、それでも俺はお前のこと見てるつもりだからよ」
手の熱が上がっていく感覚がする、同時に明かりがついた、松野くんが帰って来たようだ。いつの間にか場地くんの手も離れていた、
「場地くん、ありがとね」
私の事を見てくれている人がいる、その事実だけで私は簡単にうれしくなる。
***
女子を泊りに誘うなんてどうかしているって思われるだろうか?
「場地くんと松野くんお泊り会したんだ、いいなぁ」
と話した時のすげえ羨ましそうな、さみしそうな顔を思い出していた。
ただ母ちゃんが夜勤の時に来て遊んでるだけなのにな。
まあ、千冬いるし俺だって別にあいつに変なことしようなんて思ってねえよ、思ってねえし。
なのにだ、あいつが風呂上りにかなりの薄手で出てきた、....まじでふざけてんのか
なんなんだあの女、無防備にもほどがあるだろうが いくらなんでもそんな格好してたら襲ってくれと言ってるようなもんだろうが。
いや、俺はそんなことはしない、絶対にしない。
「不快な思いをさせて本当にごめん…」
あいつはシュンと落ち込んだ顔をしてそんなことを言った、...こいつズレてる、絶対ずれてやがる。
「ちげーよ!」
千冬も顔を赤くして声をあげていた、
「はあ……お前ちょっと無防備すぎなんだよ!なんつーかその……女として意識しろって言っても難しいかもしれねぇけどさぁ」
「ちゃんと女の子らしくしてるよ!髪の毛も手入れしてるし!」
俺は頭を抱えた、勉強はできるかもしれないがはなんというか、俺とは違う形のバカだったんだな…
「そういうことじゃなくってだなぁ……」
「はい、ちゃんこれ」
渡されたのは千冬のジャージの上着だった
「松野くん、本当ありがとう……」
千冬の上着を着たは男物だったおかげでブカブカだった、千冬が親切心で貸したことぐらい俺は分かっちゃいる、でも、なんかこう……気にくわねぇ
が申し訳なさそうな顔でこちらを伺う、ああ、またこいつは俺の表情を読んではズレたことを思ってそうだ、いっその事そうやって俺の事考えて困っておけばいい、
ドライヤーをしようとするとは目を輝かせながら
「場地くん、私が乾かしてあげる!」と言ってきたが
「...いや別にいらねえって」
俺は突き放すように言った、正直こいつの事をかわいいとも思うし構いたくもなるが、俺とが付き合ったりするのはありえねえし、駄目だと思っている、だからあんまりべたべたしねえ様にと気を付けたいんだが、
「私の乾かし方でやるとつやつやになるからまかせて!」
って言って後ろに回り半ば無理やり髪を乾かしてきた、結構強情なところあるよなこいつ、
「どう?気持ちいい?」「おう」
人に髪を触られるのは久しぶりだ、ちょっとくすぐったいけどそれが心地よかった は丁寧に俺の髪にドライヤーを当てていく、
気持ちよくてウトウトしてしまう、この時間がずっと続いて欲しいと思うと同時に早く終わってくれとも思った。
「はい完成!ばっちりだよ」「おぉ、ありがとな」
俺の髪はつやつやになっていた、
「場地さん!めっちゃカッコイイっす!!」
千冬が大声で叫んでくる、
「うるせえぞ!」
が「あはは」っと笑っている、 なんでこんなことで笑ってんだ、わけわかんねぇ
その後三人でゲームをして遊んでいたのだが、突然部屋の電気が消えた、停電だな
「場地さん!ブレーカー見てきます!!!」
と言って千冬は勢いよく走っていった、同じ団地だからか千冬は俺の家の事をよく把握していた、
「場地くん?あれ?どこ?」
が不安そうな声で俺を探していた、俺が部屋にいるのに何が不安なのか、とにかく安心させてやりたいと思ってちょんと触れてきたの手を勢いよく握ってしまった。
「ぉわっびっくりしたー」
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう、見えないと不安になっちゃって」
いつも色んな事をよく見ているこいつは少しでも見えなくなると不安になるのか、
少しの事を知れた気がした。
一回握ってしまった手を離そうかと思ったがなんだか今離したらまた不安にさせる様な気がしてそのままにしておくことにした、するとの方からもぎゅっと力を入れてきた、
「……はさいつも人の表情とかで何考えてんのか見抜くだろ?」
「うん、まぁ」
「それって結構疲れるんじゃねーか?」
こいつはいつも人の表情を見たりして考えていることを予測して助けようとしている、実際、俺の事をいつも見抜いて来る。それはすげえと思う、でもこいつはそれがどんなに大変なことなのか自覚出来ているのか……
「……よくわかるね」
はいつもより悲しそうな声をしていた、
いつも俺の事を心配してくれているだろうのことを俺だって、どうにかしてやりてえって思うのに、なかなかそれが難しくてイライラする。
「俺は頭わりーし難しいこと考えるの苦手だし、正直お前が何考えてるかなんて全然わかんねぇ」
「うん、そうだよね」
はより一層か細い声になる、違う、俺はこんなことを言いたい訳じゃねえ
「…でもよ、お前がいつも何か頑張ってるってことぐらいは分かるぜ」「え……」
…駄目だ、やっぱり俺は口下手だ、お前みたいに俺はすぐに表情を読んだり、欲しい言葉を与えることができない。
の顔を覗き込む、すると、すこし目が潤んでいて顔が赤くなっていた、
……うそだろ、俺のあんな言葉でそんな顔になるのかよ…
なんだか愛おしさが込み上がってしまう。
「お前の顔よく見えるわ」
「え、見えてないじゃん……」
「俺は暗いところでも割とみえんだよ」
いつもの立場が逆転した感じが少し面白い、
はなんだかムスッとしている、それすらかわいいと思えた。
「俺はわかんねー事だらけだけど、それでも俺はお前のこと見てるつもりだからよ」
手の熱が上がっていく感覚がする、名残惜しく感じたが部屋の明かりが着いてすぐに手を離した、
「場地くん、ありがとね」
俺の何気ない言動で喜んだりするお前を見るのが嬉しくなってしまうから、 俺はお前を手放す事が難しくなっていく。